2019年11月2日(土)
結願(八十八札所のコンプリート)めざして発願(修行の旅の開始)の日。
徳島からJR高徳線で鳴門市・坂東駅へ。
坂東駅から一番札所霊山寺に向かう途中、「お接待(お遍路さんに親切にする風習)したる。コーヒー飲んでけ」と見知らぬおじさんちに連れ込まれる。
彼の名はMさんで、そのお宅はお接待処というものだった。
この先の善根宿(善意で提供される無料の宿)やルート選びの情報を細かく教えてくれ、その後霊山寺まで付き添ってお参り作法のレクチャーもしてくれた。三時間以上も!
いきなし大幅に予定が狂ったけれど、初めて受けたお接待、ありがとうM老師!
[一番札所 霊山寺]
M老師の見立てで金剛杖と菅笠を購入し、装備品が一通り揃った。
老師の口利きで店員さんから腕輪念珠をいただく。サービス?ワーイ!
老師に何度も叱られながら、お参りの作法を習う。
そのへんの説明はまたいずれ。
霊山寺は釣り灯籠がゴージャス☆
その横にはM老師の名が。何者なの?
老師が若いメガネっ娘お遍路さんに声をかけたので少し話す。
区切り打ちで、今回は十二番札所まで行くとのこと。
十二番札所焼山寺はえげつなき難所。お互いフンばりましょうと握手してサラバダー。
大変お世話になった老師にも深くお礼をし握手してお別れ。
やーっと朝食が食える!
霊山寺となりの食堂で麺の太さの不揃いな鳴ちゅるワカメうどんと、あわくったという饅頭をいただく。
アテクシよもぎアレルギーなんですけどね。
愛媛からの老夫妻と同席。
ドライブデート遍路だって。いいスねー。
店員さんに「アラ、その腕輪。結願されたんですね?」と言われる。
結願した人にのみ支給される物らしい。
旅立ちの時点でロトのしるし与えるM老師、だめじゃん。。
[二番札所 極楽寺]
老師の教えを実践してお参りする。
子授招福大師像が地元の友人の平田さんクリソツ。
弘法大師お手植えの長命杉。てことは樹齢オーバー1200。
直で触るのNG。紅白紐経由でパワーげっと。
板野町に入り、道なき道を往く。
[三番札所 金泉寺]
迫力ある仁王門の、、
裏手のドアが不似合い過ぎて草w
納経所のおばちゃんが外人客に苦戦中。カタコト英語で長期戦になっていた。
ようやく道の説明が伝わり、「お待たせしてごめんなさいね」と謝られ、「立派なもんでしたよ」と上から励ます。
書が上手で就いた仕事なのに接客も頑張らないといけないなんて大変なあ。
道中、ド迫力の天然記念物が生えててラッキ。
愛染院の大わらじ。
八十八札所以外にも見所のある霊場があるんだなあ。
ロードオブザリングな道中。
側溝の穴に杖が高確率で入るのなんなん?
四番札所に向かう道を力いっぱい迷う。
山神社の横道に沿って進めば辿り着くはずなのだが、、ここの山神社はフェイクだった。山神社ってこのへんに複数あったのだ。
山奥深くまで迷い込み、イノシシを捉える檻のトラップがあったので、人が来るべき場所じゃないと気づいて引き返す。
山を降りて通りがかったケイトラマンに尋ねて正しい道を知る。大消耗!
[四番札所 大日寺]
疲労と気落ちでおざなりなお参りをしちゃった気がする。
八十八戦中の四戦目でこんなに苦戦するなんて、先が思いやられりんぐ。
愛媛夫妻と再会。
西国三十三観音木像の回廊。
[五番札所 地蔵寺]
大銀杏、おっきな修行大師像、等身大の五百羅漢像など見どころ詰めすぎて煮崩れしそう。
羅漢とはこの辺りの地名でもあるようだけれど、男塾生みたいな屈強な人ばかり暮らしてそう。。
上板町に入り、ヘンロ小屋(無料で休憩したり、泊まれるところもある東屋。女性遍路が来たら男は外に出ないといけないルール)を初めて発見。
たしかにその気になれば泊まれそうだ。
後日どこかで挑戦してみよう。
[六番札所 安楽寺]
七番まで行く予定だったが、今日はここまでで打ち止めトホホ。
コミカルな等身の仁王像。
温泉付きの宿坊(寺の有料宿泊所)にチェックイン。
速攻で温泉に浸かる♨
メガネっ娘ちゃんと再会。京都から来たのだって。
隣の部屋だった。変な音たてないようにしないと。
夕食は、箸袋の言葉を唱和してからいただく。
刺し身が入ってるから精進料理ではなさそげ。でも精進せねば。
あ、お酒あるの?ください。
ご飯のおかわり?ください。
昼食を取らなかったのでカロリーを摂らねば。。
M老師からも食えるときに食え、弁当買えるときに買えと言われたが、食欲よりも、道を急ぐ焦りと荷物が増えることへの拒絶反応が勝ったのだ。食欲の権化の俺としたことが。
相席になったのはメガネっ娘ちゃんと、大阪からの通し歩きお兄さんのYさん、兵庫の若い男子チャリダー。
Yさんが疲労回復のためにバンテリンが必要だが買えるとこがないと嘆いていた。
そんなに効果があるのか。俺もぜひ買ってみよう。
兵庫くんはすでに結願後で、一日100km以上のペースで移動してきたとのこと。すげー
夕勤行。住職にリードされみんなでお経を唱える。
ライブみたいで楽しい。
般若心経の息継ぎのタイミングなどメモを取る。
この情報が欲しかった。
住職の法話も良かった。
病気にはたくさん種類があり、一つの薬で全て治せるわけがないように、一つ宗教や文化で世を塗りつぶすことなんかできない。世界は色とりどりであるべき、というのが弘法大師の教え、みたいな話。
宿泊者だけが見たり触ったり出来る秘仏。
護摩行などさまざまな儀式の体験も面白かった。
夕勤行後にもう一度入浴。
ひと心地ついて、驚くほど足首が疲れているのに気づく。
マメも少しできていた。初日からこれか〜